2025年1月12日日曜日

医師こそ読むべき『透析を止めた日』 松永正訓先生 The Day He Stopped Dialysis" should be read by doctors. Commentary by Dr. Matsunaga.

 2025年1月12日 m3.com医療維新、松永正訓(ただし)先生の連載「けっこう楽しい開業医ライフ」に、【医師こそ読むべき『透析を止めた日』】というタイトルの記事がアップされました。
https://www.m3.com/news/iryoishin/1252044

本質を突いた素晴らしい論評になっています。
私どもの【鹿児島モデル】も紹介していただいています。

以下、100%の共感とともに、本文から引用紹介させていただきます。

医療者はスピリチュアルケアを含んだ緩和ケアの提供が必要。
スピリチュアル・ペインの本質は、「時間性」「自律性」「関係性」の3つの喪失という学説。

「時間性」を失うとは、死によって過去が消えることである。これまで積み上げてきた人生が消えること。そして、当然、未来も消える。過去・未来という時間が消えれば自分が依って立つ現在も消える。

「自律性」を失うとは、自分の身体のコントロールを手放すということ。できないことが増えて、自分が人でなく「物」に近づくと、人は己の存在に価値を見出せなくなる。

「関係性」を失うとは、自分を取り巻く人や物と別れるということである。人間とは人と人、あるいは物との関係性で生きている。また、関係性を築くために生きているとも言える。そのつながりを失うとき、魂は痛みで悲鳴を上げる。

この本を読んで不快になる医師もいるかもしれない。だが、医師であれば誰でもこの本を読んだ方がいい。いや、読むべきであろう。透析は自分には関係ないという考えは持ってはいけない。すべての医師が医療を広く見るべきだ。

いいノンフィクションは、物語る力が強く、多くの人が知らない世界を知らしめ、そして読み手の思考や行動を変容させる。堀川さんは、この本を通じて、ある意味で作家人生をかけて医療界に変革を迫っている。

真に拠り所となる医療者はどこにいるのだろうか。
透析を巡るトータルケアが少しでもよくなってほしいという患者家族の祈り。
われわれはその異議申し立てに真剣に応えなくてはならない。


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