日経メディカルの良記事 よくまとまっています
全国調査で透析の見合わせ・終了の実態が初めて明らかに 全国での透析見合わせ・終了は2年で1409例 2022/05/17 小板橋律子 日経メディカル 東邦大学医療センター大森病院腎センター主任教授の酒井謙氏らによる、日本医療研究開発機構(AMED)の長寿科学研究開発事業である「高齢腎不全患者に対する腎代替療法の開始/見合わせの意思決定プロセスと最適な緩和医療・ケアの構築(研究代表 柏原直樹氏)」の研究の一環として、全国における透析見合わせ(非開始)や終了の現状を調査。 https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/t340/202205/574956.htmlアルバータ大学のCKMプログラムなど、海外のCKM事情を勘案して作成されていると思います
https://www.ckmcare.com/
JSDT透析見合わせ・中断の議論では、大平先生が提案した当初から下記の論点が指摘されており、現時点でも明確になっていないことが問題として挙げられます
①終末期に使用が推奨されている緩和ケア薬剤は癌末期に使用する薬剤(フェンタニルやハロペリドール)と同じであるが保険適応がない
②誰が・どこで・どのように終末期を診てゆくのかが定まっていない
③緩和ケアを提供する医療者を業務上過失致死罪から守る法的担保がない
安楽死の議論と並行して国民的コンセンサスを作ってゆくことや義務教育から死について考える教育をしてゆくことが必要だと考えています
また、高齢化多死社会において、緩和ケア的腹膜透析の役割が非常に大きいことは間違いありません
血液透析患者と異なり腹膜透析患者の終末期は穏やかな在宅での終末期を可能にします(比較スライド添付いたしました)
こちらの会の趣旨でもある、これまで良い適応であるにも関わらず腹膜透析を提示されてこなかった多くの腎不全患者さんに腹膜を届ける活動は、さらに大きな価値を帯びてゆくと思います
ちょうど25年前ころの癌告知の是非について議論がありました
予測される余命やillness trajectory(病気の経過)を正確に伝えることが患者さんの主体的なライフプランニングに寄与することから、いまは当たり前になっています
末期腎不全についても遅ればせながら同じことなのだと思います
しかし、腎代替療法説明がようやくはじまったところですが、まだまだ不十分な内容です
医療者側にバトンがあるうちは大きな変化は期待できないのかもしれません
癌告知のときがそうであったように、患者側から知る権利を求める運動が起きることも重要なのでしょう
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