日本透析医学会雑誌11月号にassistedPDの原著論文が掲載されています
訪問看護ステーションアンケート調査からみたassisted PDの問題点と対策 2023 透析会誌56(11)401-409 名古屋大学医学部付属病院看護部 高井奈美 ほか 訪問看護ステーション側に立って愛知県下における assisted PD の現状はどうか,今後どのように assisted PD をこの地域で展開していくべきかを考える上で愛知県下の訪問看護ステーション368 施設ににアンケート調査 回収数は132 施設 PD 実施施設37 PD検討中施設59 PD受け入れを検討しない施設20 PDに常時携わっている施設は20%、その他の施設は PD 患者を看る機会が年に数例程度 訪問看護師による受け入れ条件(看護内容)は、「服薬管理」,「精神的サポート」が 1 番多く,次いで「バッグ交換」,「出口部ケア」 受け入れ見合わせ項目は,「Automated PD(APD)サイクラー準備」,「APD 機器準備などの操作見守り」 assisted PD の普及を妨げる課題 PD症例数の少なさによる経験不足 PDの訪問看護実績については PD 実施群では常に数人いるが 6 施設,常に 1 人いるが 4 施設,年に 1 人程度が 18 施設 PD 実施群で 3,4か月に 1 件の依頼が 4 施設,半年に 1 件が 6 施設,年 に 1 件が 15 施設,それ以下で 11 施設 PD 診療施設との連絡連携先は PD 実施群で、外来看護師が 1 番多く、地域連携室,医師の順 連携方法については言及なし PD に特化したトレーニングの必要性 PD 診療施設への要望として「勉強会,研修会を定期的に開催して欲しい」,「具体的な患者訪問依頼時の共同指導の場が欲しい」 assisted PD 普及のために 「APD 機器の操作や準備,指導」など専門的教育が必要名古屋は人口あたり腹膜透析普及率が全国15位と比較的上位グループですが、訪問看護利用のアシステッドPD普及はまだまだ遅れていることがわかります
アシステッドPD導入数が少ない→訪問看護ステーションへの紹介が少ない→訪問看護ステーションの経験値が上がらない→アシステッドPDの受け皿が育成されない、という悪循環です
訪問看護からFAX/TELによる外来看護師や連携室経由の情報交換だけではまったく不十分であることが私どもの経験からも指摘できます
腹膜透析は日々の在宅医療ですので、IoT/SNSによって在宅治療状況をリアルタイムに把握し、訪問看護へタイムリーな情報交換と指示が必須であることはこのグループでも議論してきたことです
0 件のコメント:
コメントを投稿