移植腎廃絶後の腹膜透析
ときどき問い合わせがあります 私の経験でも、過去の文献でも通常の腹膜透析患者と変わらず、腹膜炎リスクも高くないことが知られていますので、腎移植に次いで自由度の高い腎代替療法として積極的に選択を勧めています Peritoneal dialysis in the patient with a failing renal allograft. Davies SJ. Perit Dial Int. 2001;21 Suppl 3:S280-4. Peritoneal dialysis after a failed transplant. John B, Mushahar L, Davies SJ. Contrib Nephrol. 2006;150:271-277. 移植腎廃絶後は免疫抑制剤終了する海外と異なり、本邦では免疫抑制剤はMMFは中止しステロイドも漸減中止、TACは移植腎尿量保たれていれば減量処方継続することが多く、腹膜透析も継続しやすい印象です また、移植前に腹膜透析をやっていたが、移植腎廃絶後に再度できるか、という問い合わせも時々あります これも問題ありません、最近、PLoSOneに香港から報告もありました フレッシュな症例より腹膜透過性がやや高い(当り前)ということだけで、生存率、テクニカルサバイバル、入院率、腹膜炎発症に差はなかった Peritoneal dialysis after failed kidney allograft: Comparing patients with and without pd before transplant. Tian N PLoS One. 2023 Jul 18;18(7):e0284152. また、ある遠方の患者さんからは、最初の地元病院では外科でカテーテル留置してもらったのだけど、上手くいかなくて何度も手術したので心配と相談がありました わたしは、つぎのようにアドバイスしました ①カテーテル留置はどこでやってもらってもよいこと ②外科医によって手術習熟度に差があるのでベテランに執刀してもらうよう依頼すること(とくに研修病院では) ③最初に腹膜透析やていたときの外来担当看護師に相談してみること(おすすめの外科医がいればなおよし)2024年12月23日月曜日
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