緩和的腹膜透析Palliative PDについて
【呼吸困難や尿毒症などの症状緩和を可能とし最期までケアされていることが実感できるような腹膜透析療法】と定義 Nefrologia2015;35(2):146-149 教育講演5 「 Palliative PD」 司会: 伊丹義友(伊丹腎クリニック) ED-5 Palliative PD 楠本内科医院 楠本拓生 シンポジウム4 「 高齢者PDの実践メソッド」 司会: 平松信(岡山済生会外来センター病院)宮崎正信(宮崎内科医院) SY-4-5 老人ホーム・介護施設におけるPalliative PD(緩和的腹膜透析) 川原腎泌尿器科クリニック 腎不全外科 松本秀一朗 【欧米に寝たきり老人はいない】https://amzn.asia/d/gpEJiPj の宮本礼子先生から下記のようなご指摘をいただきました 「緩和的腹膜透析が普及してゆくと、悪徳慢性期病院・施設でまん延している経管栄養や中心静脈栄養のように過剰医療や延命治療のツールになってしまわないか心配」 極めて重要な論点と思いましたので、まとめておきたいと思います ①そもそも、医療介護全般での性善説に基づく管理は失敗してきているという事実があること ②一方で我が国では過剰医療にたいして否定的な世論はすでに醸成されている ③社会的入院血液透析がたんに社会的腹膜透析入院とならぬよう、地域で生活し看取りまで行うシステム構築が必要 ④同時に聖域なしの安楽死法制化議論も必要 ⑤どこでどのような医療介護が行われているのか見える化、患者が病院・施設で社会から隔離されないよう監視が必要(病院・施設のネット配信など) ⑥慢性期病院・施設だけではそもそもPD管理はできなので側方支援メンターシップが必要であるし、仮に自前でやろうとしても維持継続はとうてい困難な医療看護レベル(私の経験) いずれにしても、緩和的腹膜透析による恩恵をうけることができる患者が潜在的に数多くいることは事実ですので、医療者側としてまずは、きちんと提供できるようにする責務があります その上で、過剰医療や延命治療のツールにならぬよう、留意してゆくということになるでしょう
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