2020ISPDガイドラインや2021KDOQIではKt/Vureaを透析モダリティ変更の指標にすべきでないとなっていますが、それでは適正透析についてどのように考えるべきか
腹膜透析メニューの組み立てや調整を合理的に行う基本コンセプトが曖昧なままではないでしょうか トロント大学AugusteとBargmanが腹膜透析処方のイロハについて原理から分かりやす解説してくれていてお勧めです Peritoneal Dialysis Prescription and Adequacy in Clinical Practice: Core Curriculum 2023. Auguste BL, Bargman JM. Am J Kidney Dis. 2023 Jan;81(1):100-109. https://www.ajkd.org/article/S0272-6386(22)00848-4/fulltext 溶質クリアランスとしてのKt/Vureaをターゲットにしていた過去の透析処方の考え方から脱却し、患者のライフスタイルにマッチさせた臨床ターゲットにフォーカスした透析処方を勧めています 臨床ケース提示とQ&A形式でよくまとまっていて、腹膜透析処方に関する基礎知識が整理されるおすすめのコアカリキュラムです 欧米人は体格が良いので、CAPD10L/day、APD13L/dayと貯留量が多いのですが、基本原理は同じです 学習項目として下記の有用なテーマが設定されています ①導入初期はCAPDかAPDか、インクリメンタル透析メニューはどう処方すべきか ②トランスポーターの性質によって透析メニューはどう決定されるべきか ③どのようにKt/Vを測定し治療に反映させるべきか ④限外ろ過不全や溶質除去不良の診断と対策 ⑤腹膜透析を離脱すべき判断とタイミング ちなみに私は高齢者ではKt/VやPETは行っていません、体液コントロール良好で体調良ければそれでよいと考えています BUNやP、β2MGなどや除水効率でいずれも推定できます 若年者でも必要時のみに測定するようにしています要点は下記のとおりです
Kt/Vは不正確なうえにあくまで指標の一つにすぎないはずなのにモダリティ変更に影響を与えすぎている
とくに体液量Vの推定式は不正確であてにならない
アメリカでは格付けを気にするあまりfloor1.7割り込んだPD患者を離脱させていることが問題になっている
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